マルモ・ピンコーラの冒険(最終回)

                               ザディクの最後(その4)

 最上階にある最高総司令官室を静かに回転させた。どこから見ても戦列にとどまっている艦隊はほとんど見当たらなかった。
  「エディクターノやヌーズヌーはどうした? ワラバンバやアフィンネやグランジュマは?」
同盟を結んだ連合国の将軍たちの名前をあげながら、ザディクはもしやという疑念(ぎねん)に捕われた。
  「みんなどこにいるんだ?」
 「各将軍閣下は、みなさまみんな、その帰国する戦闘艦に乗っておられます」
  「みんなだと!」
  ザディクは副官にかみつきそうな顔で怒鳴った。
  「そうです、みんなです」
  スカイザーは頭をたれた。
  怒りと屈辱感(くつじょくかん)、そして絶望感と深い悲しみがいちどにザディクを襲い、彼を打ちのめした。
  ザディク・ウィンドゥローはなんとか気持ちをおさえ、プライドを保つと、静かに、しかし力なく椅子に座った。長年の野望が氷のように溶けて崩れてゆくのが分かった。途方もないむなしさが体中に広がっていった。
  ふいに、大事なことをすっかり忘れていたことを思いだし、ザディクは思わず立ちあがってデスクから身を乗り出していた。
  「スカイザー、アンダダに捕えているふたりはどうした? あれは、大丈夫だろうな?」
  「いいえ」副官は弱々しく頭を振った。「警備の戦闘艦が帰国する友軍と行動をともにしたので、そのすきにバウ・デ・アララがあらわれ、両陛下を救出していったと、監獄の看守兵からつい先ほど緊急連絡がありました」
  「なんということだ!」
  ザディクは血を吐くような思いで声をしぼり出した。最後の望みも断たれたと思った。

  その後ザディク・ウィンドゥローがどうなったか、だれにも分からない。新天地を求めてブラック・ホールからホワイト・ホールに抜けたとか、ブラック・ホールの中で乗っていた宇宙船が破壊されたとか、いや自殺したにちがいないとかいろいろ噂されたが、いずれにしろ、ふたたびザディク・ウィンドゥローの姿を見た者はいなかった。
 

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マルモ・ピンコーラの冒険(52)

             ザディクの最後(その3)

 スナージェ・ダンタンは大空のかなた、宇宙に向かって言いはなった。
 「わたしたちの望みは平和! ほかの宇宙世界と調和したわたしたちの平和な世界を、自分たちの手で作ることなの。いま起きてることは、そのための女の反乱なの。革命(かくめい)と言った方がいいかもね」
 ハイパーコンプレックス・ヴィジョンのスナージェ・ダンタンはザディクに向かっていたずらっぽくウインクした。
 「あらためて言うわ。戦場にいるすべての男性諸君、すぐに戦場を捨てて帰ってらっしゃい! そうすれば、わたしたち女は優しくあなたたちを迎えてあげる。約束するわ!」
 ふたたび勝ち誇ったような女性たちの歓声が、地鳴りのようにツゥミラト全土をおおったかのようだった。
 「もういい!」
 ザディク・ウィンドゥローは不機嫌な声で怒鳴った。大画面がしゅんとしたように一瞬で消えてしまった。自分のデスクにもどったザディクは、複雑な思いのまま大きな椅子に力なく重たい体を沈めた。デスクに肘(ひじ)をつき、その右手を額に当てて目を閉じた。
 「総司令官!」
 あわてて部屋に飛び込んできたのは副官スカイザーだった。緊張した顔でデスクの前に立った。
 「わが連合軍の戦闘艦が許可も得ず、勝手に戦列を離れ、ぞくぞくと帰国しつつあります。 それに・・・」
 「なんだと!」
 スカイザーの言葉をもぎ取るように、ザディクがさえぎった。
 「あの女のたわごとにまどわされたと言うのか! そんな腰抜けなのか、あいつらは!」
 ザディクは立ち上がっていた。そして部屋の大きな窓に目を向けた。戦列を組んで待機しているはずの同盟艦隊が、戦列を崩し、師団ごとに一団となって移動している様子が見えた。

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マルモ・ピンコーラの冒険(51)

               ザディクの最後(その2)

 大勢の女性を前にした彼女は活動家らしい活発な声を張り上げた。
 「このステージから宇宙の戦場にいるすべての男性にわたしたち女性の気持ちを伝えたいの。いい、よく聞いて。さっさと戦いをやめて家に帰ってらっしゃい! そうしないともうなんにもしてやらないって決めたんだから!」
 「わああああー!」
 女性たちのおかしそうな、それでいてうれしそうな歓声がひときわ大きく湧きあがった。そしてそれまでの反戦プラカードや横断幕が投げ捨てられ、それらに代わってつぎつぎに新しいものが掲げられた。
   
 “わたしたち女の手で平和をつかむぞ!”
 “わたしたちは男の言いなりにならない”
 “男たちよ、戦場とわたしたちとどちらを選ぶ?”
 “この女の反乱が世界を変えるんだ!”
  
 これらのプラカードや横断幕を打ち振る女性たちの大歓声を両手を高く掲げておさえ、スナージェ・ダンタンは両手を腰に当てて胸を張った。
 「戦場の男性諸君、わたしたちのもとへ帰るかどうか、ひとりひとり胸に手を当ててよーく考えるんだね。さっさと帰って来ないとたいへんなことになるのは分かってるわよね。わたしたちの相手はザディクじゃないわ。ザディクなんて問題じゃないの。わたしたち女性が相手にするのは、あなたたちすべての男性なんだ」
 女性たちはふたたび首都カズヴィンの空をどよめかす大歓声を上げた。
 「わたしたちにはあなたたちがいま持ってるような人を殺す武器は一つもないわ。でも、わたしたちにも武器はあるわ、強力なね。それは、わたしたちが女であること。そしてもう一つは、わたしたち女がツゥミラトの人口の半分を占めるということ。この二つが男性諸君にとってどれだけ脅威(きょうい)になるか分かるでしょう?」

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マルモ・ピンコーラの冒険(50)

              ザディクの最後(その1)

 宇宙ステーション・サンディバレルは、音のない宇宙の闇に浮かぶ巨大な五角形の軍事基地だった。宇宙ステーションの丸い窓明かり、明滅(めいめつ)する信号灯や警戒灯、あるいは旋回(せんかい)するサーチライトなどがサンディバレルを美しく浮き立たせていた。そんなサンディバレルを中心に据えて、反乱軍の各連合国宇宙艦隊が攻撃隊形を組んで待機していた。

 最高総司令官の部屋は、見晴らしのきくサンディバレルの最上階にあった。ザディク・ウィンドゥローはさきほどから腕組みし、ハイパーコンプレックス・ヴィジョンの前に立ちつくしていた。王女とヘラ・バムクが固く抱き合い、ヘラが繰り返しツァナーブに感謝のキスをするシーンを唇をかんでにらみつけていた。
 さきほど副官のスカイザーから報告を受けたばかりだった。インターネット局、テレビ局、ラジオ局それに新聞社などのあらゆる報道機関が女性たちに占拠(せんきょ)され、ツゥミラト全土にわたる平和大行進などの報道が繰り返しおこなわれているのは、すべて王女ツァナーブが企(くわだ)てたことだということを知った。
 テレビ画面には、「ツァナーブ! ツァナーブ!」の連呼でカズヴィンの空をゆるがす100万人の女性たちの熱狂ぶりが映し出された。さらにその熱気が、ザディクの支配領域やザディクと手を組んだ連合国家ばかりではなく、その他の連合国家でも、草原を焼きつくす野火のように広がっていることを伝えた。どの画面も自分たちの無限の能力と数の力を知った女性たちの喜びであふれ返っているのが、見ているザディクにもひしひしと伝わってきた。
 テレビの画面が変わった。カメラは、勢いよくステージに駆け上がってきた有名な女性活動家スナージェ・ダンタンの姿をとらえた。

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マルモ・ピンコーラの冒険(49)

              女性たちの反乱(その7)

 そんな彼女に王女ツァナーブは、ほほ笑みながら言った。
 「そしてヘラ・バムク教授、あなた自身も女性だということを忘れてはいませんか?」
 ヘラ・バムクは、はっとしたように伏せていた顔をあげた。そして王女を見上げた。ツァナーブは大きくうなずいた。
 「わたくしたち女性はみんな団結しなければなりません。あなたひとりを仲間はずれにするつもりはありません。さあ、ヘラ・バムク教授、立ってわたくしにキスをしてください」
 差し出されたツァナーブの手を借りて立ちあがったヘラ・バムクは、ツァナーブと固く抱き合い、王女のほほにキスを繰り返した。ヘラ・バムクのほほを止めどなく涙が流れ落ちた。
 かたずを飲んでそれまでのいきさつを見守っていた首都カズヴィンの100万を越す女性たちが、いっせいに歓声を上げた。どこまでも広がる青空の下を「ツァナーブ! ツァナーブ!」の大合唱が津波のように広がっていった。

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マルモ・ピンコーラの冒険(48)

                女性たちの反乱(その6)

 「ツァナーブさま、もうそこまでです」
 ヘラ・バムクはツァナーブを脇へ押しやった。そしてさっと右手を上げた。ステージの最前列を取り囲んでいた100人ほどの女性が、服の下に隠し持っていた小型レーザー銃を取り出し、銃口をステージに向けた。
 「ゲームはこれで終わりです、王女さま。ただちにデモを解散するよう命じてください」
 ヘラ・バムクは、勝ち誇ったように言った。
 そのとき、ヘラ・バムクは不意にうしろから猛烈な体当たりを受けて前のめりに倒れ、思いっきりステージの床に顔を打ちつけてしまった。
 ハンカチで鼻血を押さえながら、怒りに燃える目をしたヘラ・バムクが立ち上ったとき、マルモ・ピンコーラが、うしろに王女ツァナーブをかばって立っていた。
 ヘラ・バムクは靴音を響かせてマルモの前まで来ると、ものも言わずに力いっぱいマルモのほほに平手打ちをくらわせた。
 「ツァナーブを殺すなら、先にぼくを殺してからにしろ!」
 唇の端に血をにじませながら、マルモが叫んだ。そのマルモの両肩を後ろからしっかりつかんで、王女ツァナーブが穏やかに言った。
 「ヘラ・バムク教授、あなたは兵士たちが女性だということを忘れているのではありませんか? ステージに向けられた銃口が、だれをねらっていると思っているのですか、教授」
 ヘラ・バムクは、ぎょっとしたようにうしろを振り返った。いっせいに銃口が動き、彼女にねらいが定められた。ヘラ・バムクは腰が抜けたように、へなへなとその場に座り込んでしまった。

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マルモ・ピンコーラの冒険(47)

              女性たちの反乱(その5)

 「みなさん、今日はわたくしの呼びかけに応じて大勢お集まりくださり、ほんとうにありがとうございます。いまこそ、どれだけわたくしたち女性の力が強大なものであるかを示すときです。ザディクはいま、戦闘を再開するため戦場へ向かいました。彼は、敵は政府軍だけだと思っているようです。わたくしたちがどんな思いでここに集まっているのか、気にもかけていないようです。わたくしたちはそれほど無力なのでしょうか?」
 王女ツァナーブは聞き入る人々に問いかけた。ハイパーコンプレックス・スーパーヴィジョンの前に集まった女性たちも、ツァナーブの語りかけに熱心に耳をかたむけていた。
 「わたくしは、いまここで、宣言します。わたくしたち女性は、やろうと思ったことはなんでもできるということを。わたくしたちはすでに、すべての情報を手にすることができます。もちろん、わたくしたちの情報もいつでも発信することができます」
 ヘラ・バムクは一瞬、王女ツァナーブがなにを言っているのか理解できなかった。
 「このわたくしのスピーチも、ザディクが望めば、つまり、彼がテレビに呼びかければ、見ることができます。わたくしはそのように手配し、じっさい、わたくしたち女性の手によってあらゆる情報機関はすでにわたくしたちが管理しています」
 ヘラ・バムクは、なにか取りかえしのつかないミスをしてしまったような気がした。しかし、急いでその思いを打ち消し、一気にステージに駆けのぼった。
 「言うまでもなく」とツァナーブはにっこりした。
 「みなさんにはもうお分かりでしょう。そうです、ザディクがしたように、わたくしたちも反乱を起こしたのです」
 うしろから歩み寄ったヘラ・バムクはいきなり王女ツァナーブの肩をつかんで、強引に自分の方に向かせた。

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マルモ・ピンコーラの冒険(46)

               女性たちの反乱(その4)

 「ああ、先生」ツァナーブは感謝をこめてヘラ・バムクを抱きしめた。「先生が一晩中かけて、この平和行進の準備をしてくださったのですね。パーメラから聞きました。ありがとうございます」
 「とんでもありません」ヘラ・バムクはツァナーブから体を離した。「パーメラと彼女のスタッフが手伝ってくれたからできたことです。それに、ツァナーブさま、あなたのお力があればこそ、ここにこうして大勢の女性たちが集まり、またいまも、ぞくぞくと各地から女性たちが集まってきているのですよ」
 ヘラ・バムクはそう言いながらもわずかに顔を曇らせた。ツァナーブはそれに気づいた。
 「先生、なにか気がかりなことでも?」
 「朝早くから軍の基地の動きがあわただしいので調べてみました。戦いが再開されます。ザディクはまもなくカズヴィンの宇宙軍基地から出発します」
 ヘラ・バムクがそう言ったとき、空をゆるがす轟音(ごうおん)が人々を襲った。それは人々の腹の底までもゆさぶった。見上げた人々の瞳に天空に駆けのぼる戦闘宇宙船のオレンジと白の二重の輪になったかがやく炎が鮮やかに映った。
 首都を埋めつくした100万を越える女性たちの口から、悲鳴とも悲嘆ともつかない異様な叫びが上った。ついさきほどまでお祭り騒ぎのような陽気な雰囲気が一変し、一気に暗い重苦しい空気が女性たちにおおいかぶさってきた。
 王女ツァナーブは、そのとき、彼女のために用意された歓迎式典用のステージの階段につかつかと歩み寄った。パーメラ・オクタビエはヘラ・バムクに気づかれぬよう、ステージを取り巻く群衆にまぎれたテレビの撮影スタッフに合図を送った。首都の各所に備えられた巨大なハイパーコンプレックス・スーパーヴィジョンがオンになり、撮影が開始された。
  
 ステージに立った王女ツァナーブが静かに語りだした。 

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マルモ・ピンコーラの冒険(45)

               女性たちの反乱(その3)

 女性たちは手に手に反戦のプラカードを掲げ、“ザディクの即時退陣!”の横断幕を広げ、戦争反対のシュプレヒコールを繰り返していた。その後に続く一団は色とりどりの風船を風になびかせ、ブラスバンドに合わせて踊り、歌っていた。子どもたちも手を引かれているのが見えた。
 ゆっくり下降を始めた救命ボート・リドをビルの窓から見上げる人たちの顔がしだいに大きくなってきた。それにつれて、メインストリートの広場に集まった人の群れが割れ、王女ツァナーブを迎える場所ができた。人々の歓声がひときわ大きくなった。ビルから降りそそぐ紙ふぶきが、静かに着地した救命ボート・リドを包んだ。
 王女ツァナーブがマルモに手を取られてリドから降りたとき、女性たちの熱狂は最高潮に達した。
 「ツァナーブ! ツァナーブ!」
 女性たちの連呼(れんこ)はカズヴィンの空に響きわたり、いつまでも止むことがなかった。
 広場にふたりを迎えたのは、国際社会学者へラ・バムクと、先に惑星ダリアンからスタッフを連れてカズヴィンに来ていたパーメラ・オクタビエだった。
 王女ツァナーブはパーメラと固く抱き合った。
 「ありがとう、パーメラ。あなたのおかげでこんなに大勢集まって」耳もとでささやいたツァナーブはパーメラのほほに二度、三度と感謝のキスをした。
 「そんなことないわ、ツァナーブ。すべてはあなたの力だわ。あなたの情熱が多くの女性を動かしたのよ」
 パーメラは抱き合った腕を解いた。そうして自分の隣にいるヘラ・バムクを右手で抱えるようにして王女に紹介した。
 「こちらが国際社会学者のヘラ・バムク教授よ。先生もいっしょになってみんなをこのカズヴィンに集めたの」

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マルモ・ピンコーラの冒険(44)

              女性たちの反乱(その2)

 エステス艦長に監獄星アンダダに捕らわれた両親の救出を任せたツァナーブは、その日からただちに活動を開始した。ダリアンに住む親友のパーメラ・オクタビエとおびただしい数のメールを交わし、アウトラネット・ホログラフィーを完成させた。それと同時に、ツゥミラト全域の女性活動家と連絡を取り合い、ザディクの支配領域ジェレマの首都カズヴィンを訪れる日のためのさまざまな準備を整えた。
 いつのまにかツァナーブの手足となって働く同志の全連合国ネットワークが出来上っていた。宇宙母艦バウ・デ・アララの自分の部屋でコンピューターに向かうツァナーブは、生き生きしていた。網の目のように張りめぐらされた王女のツゥミラト・ネットワークを破壊することはもはや、どんなにザディクが頑張ってもできることではなかった。
 
 王女ツァナーブがジェレマの首都カズヴィンを訪れる日の朝、マルモ・ピンコーラは緊張していた。ツァナーブといっしょにワーム・ホールからカズヴィンの上空におどり出たとき、ザディク軍の防空ネットに捕らえられ、レーザー攻撃を受けるのではないかと心配したからだった。
 そんなマルモに、救命ボート・リドが大丈夫だと保証した。
 「中性子かく乱電磁波で、防空ネットの電波に障害を発生させます。侵入は問題ありません」
 リドの言葉どおりだった。青く晴れわたったカズヴィンの大空に姿をあらわしたマルモたちに、ザディク軍の攻撃はなかった。

 上空から見た首都カズヴィンは、議事堂に続く長く広いメインストリートは言うまでもなく、すべてのストリートは人々で、それもほとんど女性で埋まっていた。さらに色とりどりに着飾った女性たちがにぎやかな列を組み、ぞくぞくと各地からカズヴィンを目指して集まってきていた。

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